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杏里の楽美(旅)日記

今までの旅で、何を思い出す?DMC天童温泉が創り出す”記憶に残る旅”とは?(47都道府県出張ネイル〜9/47山形編〜)

東北旅も後半戦。電車移動で来てしまったリッホにとって、県をまたいだ移動はあまりにも時間がかかり電車の本数も少なく、始発と終電を駆使して秋田と次の目的地の中間地点になる新庄で一晩過ごした。

深夜に大きな地震があり、次の日の天童温泉行きのJR線が全て運休となってしまったのだが、幸いバスは走っていたため、急いで目的地へ向かった。将棋の大きな駒が道路の脇にドーンと置いてあるのを横目に、オフィスを訪れる。今回のアポイント先は、株式会社DMC天童温泉。山形ならではの体験や交流ができるツアーを提供する、超地元密着型の旅行会社だ。

競争ではなく、共創。仲間として創る地域の旅とは?

今回は天童温泉を拠点に最前線で山形のツアーの制作している鈴木さんと後藤さんにお話を伺ってみた。

鈴木さん「天童温泉には今11軒旅館があって、そのうち7軒(現在は8軒)のオーナーが出資して作った会社なんですけど、うちはその旅館のメンバーでやってます。」

リッホ「それって結構特殊というか、温かみのある形だなって思って。」

鈴木さん「他のエリアは、温泉旅館ってライバルなので、当然自分の旅館にお客さん沢山来てくれれば良いっていう考え方が多いと思うんですけど、天童の場合は横のつながりが強くて。」

平成初期に団体ツアーが盛り上がり、その後個人旅行にシフトチェンジしていった時の天童温泉は、お客さんが年間を通して減っていったことが続き、平成後期はそのまま横ばいに。このままではいかんぞということになった各旅館は自分の旅館で食事の内容やサービスを良くして旅行サイトの口コミや評価を上げてみるものの、集客そのものは増えなかったという。どちらかというと旅館の磨き上げよりも、地域の磨き上げが必要だ。そう判断し地域として団結している天童温泉は、今までよりもずっと高い視座から旅行客のこと、地域のことを考えているのだろう。そんなDMC天童温泉が考える、“地域の磨き上げ”はどのようにしているのだろう。

鈴木さん「個人旅行だと、地元や地域の人と関われる機会を作るのってなかなか無いじゃないですか。」

後藤さん「人との交流が無い旅ってそんなに思い出に残らないっていうか。楽しいですけど、何かハプニングとか人と接して驚いたことがあったとか、そういうのがあると印象に残るし覚えているけど、何か見ただけだとあんまり残らない。山形とか天童来た人にもそうなって欲しいなって。」

確かに、自分の人生で1番インパクトのあったモロッコの海外旅行でも、数年経った今すぐに頭に思い浮かぶのは人の顔だ。モロッコ絨毯を強引に押し売りしてくる商人のベルベル人、日本のクレジットカードが使えず、現金をはやくよこせとキレられた現地のツアーコンダクター、リヤド(モロッコの宿)で出逢った同世代のホテルマン(かなり散々な目に遭ったあとだったので、穏やかなお兄さんを「人畜無害」というニックネームで呼んでいた)。「地域の人と関われる旅」は、濃厚な思い出を決定づけるのではないか。

お客様だけじゃなくて地域も満足できてる?四方良しの世界に。

リッホ「お仕事をやっていく中でのやりがいとか、これやって良かった!みたいなことってありますか?」

鈴木さん「自分は元々旅行会社出身なんですけど、当時はどちらかというとお客さん喜ばせられればそれで良いと思って、割と旅館とか色んな施設に対してすごい無理を言ってたというか…。今の仕事をやり始めてからはお客さんに喜んでもらうのは当然なんですけど、受け入れ側の農家さんとか、施設とか事業者の人たちに『一緒にやるのすごい良かったですよ』『こういう企画考えてくれて本当にありがとう』みたいなことを言われるのが快感になってますね

後藤さん「私もぱっと頭に浮かんできたのが、うちの会社のイベントで私が学生時代から色々関わってきた地域の方々に声かけてお手伝いしてもらって作り上げるものがあったんですけど、それをやった時に『いいね、来年もやろうね』みたいな感じで言ってくれて。地域の方とお客さん同士の交流の場にもなるからすごい嬉しいんだ、ありがたいんだって。こっちはお願いしてる立場だと私は思ってたんですけど、何かちゃんとお互いにメリットがあって良かったって思いましたね。」

リッホ「お互いのメリットって大事ですよね。どっちかが良くというよりは三方良しというか。」

後藤さん「それは会社としても意識してますね。」

DMC天童温泉のホームページの理念には、四方良しと書かれている。お客さん、受け入れ先、我々、未来。どの方面でも関わる人みんなが満足することで、提供し続けられるものがある。偏らず、全員がwin-winになるサービスの構築は、自分としても模索し続けていきたいところだ。

どこも美味しい豊かな日本だからこそ、何を魅せるのか?

後藤さん「何か難しいなって思うのがさ、結局どこも美味しいじゃんって思うの最近。どこも美味しいし、色んな魅力があるじゃないですか。その魅力とか価値の魅せ方が難しいなと思って。そこは丁寧に丁寧に、その人を輝かせるようにして、そこに惹かれた人がやってきてほしいなって思って。なんか豊かな国だからこそ、それってやっぱり人なんだろうなっていうのはありますよね。

天童に行くならこれ食べて!水車の鳥中華も美味。

リッホ「確かにそうですね。そういった中でツアーを作るときに大事にしていることというか、基準にしていることってありますか?」

鈴木さん「ストーリーが語れるか、ですね。人間なので紆余曲折あって今に至ってるので。例えばさくらんぼの成り立ちもそうなんですけど、旅行に来たお客さんって6月の実がなっている木しか見れない。じゃあなんでこれがこの値段するのかとか実感持てないじゃないですか。でもその、いつの時期から一つ一つ手をかけてやっててみたいなストーリーを全部聴き終わったときに、じゃあこのぐらいの価値あるよねっていう実感を1番大事にはしたいと思いますね。そこから、どうせ同じさくらんぼ買うならあの農家さんから買おうってなっていったらいいなと。

⭐︎DMC天童温泉のツアーはこちらから。

その人のストーリーを良く知れたら、ファンになったり、応援したいと思えることって沢山ある。それは芸能人に限らず、地域の一般の方々のストーリー、想い、熱意をフィーチャーすることによって生まれる関係性はあるだろう。2人はきっと、某情熱大陸のディレクターみたいな気持ちでお仕事をしているに違いない。

まさかの展開!今日を踏まえた3人の今後は?

鈴木さん「今後やっていきたいこととモットーはほぼイコールで、旅行者と地域をもっと近づけたい。楽しそうなエリアをちゃんと可視化したくて。例えば山形県をディズニーランドとした時に、天童温泉がオフィシャルなホテルみたいな感じになって、そこから出かけて色んなエリアに行ってほしい。山形だけでも色んなアトラクションとか体験があるので、そういうのを作りたいなと。」

後藤さん「今後は?」

リッホ「え、私ですか?何だろう、今はネイルで綺麗にすることはできるけど、やっぱりそれで綺麗になって、折角なら自分の何か新しいことやってみようとか、人に会おうとか、色んなとこ行ってみようって経験を積み重ねた先に、より魅力的な自分がいると思っていて。そう考えると私は旅行業界の人たちとすごい仲良くなりたいなって思っていて、何か将来的には美容と旅がマッチングできるような、創作物なのかビジネスなのか分からないですけど、そういうことをやってみたいなっていう感じですね。後藤さんはどうですか?」

後藤さん「えー。何か最近は悩んではないですけどなんかぼんやり生きてて、ちょっとどうにかしたいなと思ってたんですけど、今日ちょっとテンション上がった。ちょっとっていうかすごい、また人生きゅって変わった。初めての経験だから。私がこれで、これからネイリストになるかもしれない(笑)。逆に私が天童の市町村とかで同じようなことやるかもしれない。うん、これから頑張ります(笑)。ネイルって資格いるんですか?」

山形の県花と名産の将棋、ラフランス、さくらんぼ、日本酒を描きました

リッホ「ネイルはですね、資格なくても開業できるので。全然小さくでも始められますよ。ノーリスクです(笑)。」

後藤さん「新たな道。」

最終的にネイリストという仕事の魅力を後藤さんに語って、逆にオススメするというまさかの展開で山形のインタビューは終わった。意外と近い将来、DMC天童温泉が販売するツアーにネイルイベントが載っかっていたりして。

湯坊いちらくさんもアーティスティックなお宿!

3人で足湯に浸かってから、天童に行くならこれ食べて!と知り合いの何人かに言われた水車そばの鳥中華を食べて、桜桃の花湯坊いちらくに宿泊した。今回は地震であまり観光の時間取れなかったけど、また次回天童温泉に行く時は、あの2人がやっている体験ツアーを申し込んでみよう。後藤さんがネイルに興味を持ってくれたように、私も今日だけで天童温泉をもっと知りたくなった。地元の人と接して、ストーリーを聴くって、こういうことだ。

to be continued…

【山形編・鈴木さんと後藤さんから学んだこと】

・自分だけじゃなく、周りと共創することも考えてみよう!

・お客さまだけじゃなく、関わる全ての人が満足することを意識しよう!

・キーワードは、”ストーリーを語れるか?”

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