地球人のみんなに、可能性がある。勇気出るJAXAからの意外なメッセージとは?(47都道府県出張ネイル~18/47茨城編~)
原宿でネイルを終えて急いで東京駅へ向かい、バスで40分。
たどり着いた先には、大きなロケットと、大きなお土産を両手に抱えたもう一人のネイリストが立っていた。
「やっほ~~~!」
今回の茨城編は初のタッグで参戦。宇宙が大好きなネイリスト友達のacoが、なんと福岡からこのプロジェクトのために駆けつけてくれた。SNS上で知り合った仲だったのだが、初対面の場所は「JAXA筑波宇宙センター」という何とも壮大なシチュエーションである。(笑)
JAXA…宇宙航空研究開発機構(Japan Aerospace Exploration Agency)の略。
既に午前中から散策していたaco(もはやスタッフ並みの知識量)に案内されて、展示室、お土産コーナーを見て回った。なんとここでは実際の宇宙食や、“宇宙乳酸菌”という謎の物体が入っているお菓子がお土産として売っており、予想以上に好奇心を刺激され大いに散財してしまった。
見学の時間が終わってから、今回は特別に展示室の中で(!)国際宇宙探査センター事業推進室(取材当時)の大谷さんにインタビューをしていただけることに。大きな宇宙と、小さなお爪のお仕事がコラボレーションしたこの日は、小さいころに宇宙飛行士に憧れていたリッホとacoにとって夢のような時間だった。
挑戦を楽しんだから夢を掴めた!大谷さんのJAXA就活秘話
今回は4人体制で2組に分かれてネイル施術。“宇宙”というお題で、アンリッホとacoそれぞれが作品を創っていきながら、JAXAを代表して国際宇宙探査センター事業推進室で広報を担当されている、大谷さんにインタビューをさせてもらった。
リッホ「大谷さんがJAXAで働こうと思った経緯は?」
大谷さん「昔から星を見るのが好きで、宇宙飛行士になりたいと思ったこともありました。ただ、宇宙関係の仕事をするには、理系に進まないとなって思っていたんです。でも高校ぐらいから英語に興味を持ち始めて文系に進み、大学時代は留学もしていました。なので自分の将来に宇宙という選択肢は無くなったと感じていたのですが、就活の準備をしている時にふとJAXAの募集要領を検索したら、文系出身でも応募ができるということを知って。じゃあチャレンジしてみようと思って。」
リッホ「“文系出身でも応募ができる”っていうことは調べてみないと分からなかったじゃないですか。だから就活の時にそういう宇宙分野を見ていたっていうのは良かったですね!」
大谷さん「折角の機会だから、チャレンジしてみようと思ったのがきっかけなんです。採用面接も、もう楽しもうって(笑)。自分が思っていることや今後宇宙とかこうなってほしいっていうのをざっくばらんに語ったら、意外と反応が良くて面白いねって言ってくれた面接官もいて。だから本当に就職活動も楽しかったし、受かった!やったー!って感じだったんですよ。」
大谷さんのこのスタンスは、やってみたいけど本当にできるのか未知数の挑戦にはもってこいの戦法なのかもしれない。何より、肩の力を抜いて楽しくやってみる姿というは周りも見ていて一緒に働きたくなってくるのだろう。
“分からない”のが魅力的。ロマン溢れる宇宙の話!
aco「そういえば、映画の『インターステラー』って観たことありますか?」
全員「大好きです!」「あります!」
aco「あの空間は実在するんです?重力の違いによって時間の差が生まれるみたいな、本当にそういう現象って起きるんでしょうか?」
※インターステラーのあらすじはこちらから
大谷さん「うーん、理論上は有り得るかもしれないんですが…。宇宙って有る無しじゃなくて、”まだ分からない”っていうことが沢山ある世界なんですよね。それがすごい面白いなーって思ってて。そんなの存在しないよとか、存在するよの、YES/NOじゃなくて、これから分かるかもしれないというか。」
リッホ「今回Instagramとかでも、フォロワーの皆さんにJAXAさんへ質問したいことを聞いたら、やっぱり『宇宙人はいますか』『ブラックホールには何があるんですか』『宇宙の端っこって何ですか』みたいな質問がいっぱいあって。そこら辺の質問とかもまだ探索中という感じなんですか?」
大谷さん「そうですね。それを自分が解明するんだ!っていうのがここではできるから、ロマンがありますね。だからチャレンジできることが、まだまだ沢山ありますよ!」
まだ分かっていない可能性に挑戦できる分野が、色々なことが解明されてきている今の時代に於いては大変魅力的。挑戦するという行動自体は、自分達が思っていたよりも遙かにフラットな世の中なのかもしれない。ネイリストも挑戦できますよと言われて、私とacoは自分達の野望が更に広がった。
今、JAXAで求められている人材って?
リッホ「そしたら、例えば文系の方とかでJAXAで働きたい人はどんなスキルが必要なんですか?」
大谷さん「そうですね。私の場合は留学もしていたし、自分の強みは英語だと思って入ったんですけど、『今は英語だけじゃ足りないよ』って先輩に言われて。あと言われたのが、『宇宙が好き』じゃなくて、『宇宙を使って何がしたいか』が大事だよねと。何か明確なものがあると強いんだろうなと思います。」
これからの若手世代は、きっと“スキル”というものは一個だけ身につければ安泰ということはなく、その状況に合わせて柔軟に新しいスキルを見つけることが大切なのだろう。そして、今現在やっていることややりたいことがただ「好きだから」だけでも幸せな理由だが、その先を考えられている人がどれだけいるだろうか。ネイル業界に置き換えてもそうだ。自分が現在やっていることを反芻してみた。
みんなにチャンスあり!他業種と関われるJAXAに!
リッホ「大谷さんご自身は、JAXAで働く一員として今後どんなことをやっていきたいですか?」
大谷さん「これから月や火星の探査に、JAXAだけじゃなくて、民間企業やベンチャー企業の皆さんにどんどん参入してほしいんですね。アメリカでもSpaceXとかの企業が人を宇宙まで輸送できる時代になってきて。日本でもそういうことが起きてほしい。宇宙ってなんかロマンがあるとか、ワクワクするって言ってもらえるのは嬉しいんですけど、もっと自分ごとに、身近に感じてほしい。それは子どもだけじゃなくて、もう大人になって異業種で働いている方でも何かしら関わることができるんだよっていうのを伝えたくて。」
aco「でも携わり方ってどうすれば良いのでしょう?」
大谷さん「それが課題なんです。でももう既に企業さんとの連携やバックアップを専門にやっている部署があって。まずは共同研究から始めましょうって一緒に研究をするようなところですね。そういう枠組みはもうあるので、あとは色んな人に知ってもらいたい。そのために私も広報活動頑張っていきたいですね。」
最後にできあがった2人のネイル作品をせーので見せ合い、お互いに愛で合う和やかな時間を過ごした。
ネイルの撮影場所は、月面模型の前やスペースドーム「きぼう」日本実験棟の中。ネイルと宇宙の壮大で可愛い化学反応を楽しんで、acoと達成感に満ちあふれながら東京へ帰った。
“宇宙を、自分ごとに。”
acoとAirDropでシェアした動画や写真をニマニマと眺めながら、気づくととても遠い存在だった宇宙がすごく近くなっていた。自分は文系だから、自分は○○だから…と決めつけて人生を選択しがちな日々の中、可能性溢れる宇宙と、JAXAと、大谷さんに固定概念を外してもらった茨城編。
小さな爪の仕事で、大きな世界に向けて何がしたいか。ガガーリンのように地球を見つめる自分を想像して、今一度考えてみた。
【茨城編:大谷さんから学んだこと】
①大きな挑戦こそ、肩の力を抜いて楽しもう!
②未知なる領域にこそ、沢山のチャンスとコラボレーションの可能性があるよ!
③”好き”を使って何がしたいのか?というところまで考えてみよう!
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