カナダのネイル事情~後編~
半年もカナダのネイルサロンにいると、段々と「担当ネイリストはAnriにして」というご指名もいただけるようになってきた!問題児から一転、チップもたくさんもらえるようになり、長期休みの日はNY、モントリオール、イエローナイフ、ブラジルなど旅行しまくっていた。初心者でもここまで行けるのだから、日本人のプロネイリストがカナダに行ったらどうなってしまうのだろうか。本記事では、ざっくばらんにカナダのネイルサロン事情をお客さんとスタッフの観点からまとめている。
「Anri、君はどうしてドアの前で突っ立ってるの?」
一緒にサロンで働いてたベトナム人の男の子スタッフがそれとなく聞いてきた質問。学生時代にアパレルやケーキ屋さんで働いていた私からすると、お客様のお見送りって普通に身体に染みついてたけど、そかそか、これって日本のサービス文化なんだな。
長所と短所は表裏一体。紙一重。最初の頃はトロいと叱られまくったが、慣れてくるとお客様から「あなた、丁寧でキレイね。」とお褒めの言葉をいただくようになった。量をこなせば質とスピードはついてくるのだなと実感した。
7カ国語対応ネイルサロンのスタッフ5人のお仕事スタイル
一緒に働いてたスタッフもとてもグローバルで、その人なりのお仕事スタイルがあったのでまとめておきたい。その人がそうだったからその国の人が皆そうというのは違うけど、とにかく一緒に働いてたスタッフ陣も多種多様。みんなで仲良く運営して、ケンカもして、面白かったなあ。
・韓国人マネージャー→せかせかせかせか。とにかく急ぐ。時間にとても厳しく、朝遅刻をするとかなりの勢いで怒られる。情に厚く、しっかりしているので、常連さんからの信頼も厚かった。責任感が強くて、毎日疲れてた印象。
・ロシア人エース→ネイルの技術とスピードは圧倒的トップを誇るお姉さん。指名もマネージャーより多く、繁忙期には指名だけで予約がびっちり埋まるぐらい。20連勤とかフツーにして10日間ずっと休むみたいなオンオフのメリハリがもの凄い生活を送っていた。
・ベトナム人学生スタッフ→ホワンホワンしてるし時間もルーズでマネージャーにはよく怒られてたけど、人懐っこくてめっちゃ話してて平和。男の子のベトナム人は調子はいいから人としては好かれるけど、テキトーさ加減が過ぎるとクレームをもらっていた。ベトナム訛りの英語がなかなか聴き取れなくて苦戦した。
・中国人お兄さん→普段はめちゃ優しいけど沸点が読めず、怒らせたら止まらない。仕事は淡々と自分のことをこなす感じで合理的。いい意味でお客さんにも他のスタッフに対しても顔色とか伺わない感じだったので変にお互い気を遣わなかった。
・ネパール人お母さん→3人ネパール人いたけど3人とも優しい大阪のおばちゃんみたいな感じだった。お母さんの中の1人は出産ギリギリまでサロンで働き、出産して2日後には普通に仕事に復帰するという驚異の短期間産休だったのだが、ネパールってこれが普通なの?お子さんの写真は毎日のように嬉しそうに見せてくれた。
カナダのネイル市場において印象的だったこと3つ
①シンプルイズベスト。基本1色でOKよ!
「デザインはなんか子供っぽくなるから、赤一色が好きだわ」
カナダ人の大人の女性は大半が1色単体塗りのオーダーがほとんど。もう小っちゃなストーンのパーツを1個乗っけてあげた暁には「Wow,that’s amazing!!!」という感動っぷりなので、嬉しい。(笑)しかし1色だけのマニキュアでもお金払ってサロンでやってもらうのだから、素敵な美爪意識を持っていらっしゃる。
②友達や親子で一緒にサロンへGo
美容サロンって1人で行くのが普通かなと思ってたけど、団体で来る人達がめっちゃ多い。(笑)ネイティブの生の会話が目の前で繰り広げられるので、とても良い耳トレにはなったものの、会話が盛り上がると身体も動くからネイルがしにくいんですわ。
③男も爪の手入れぐらいするんだぜ
2~3日に1人は男性にネイルしてたペースだった気がする。爪をピカピカに磨くだけの人もいれば、エメラルドグリーンのかっこいい色をジェルで塗ってという人も。一番かっこよかったのは、クリアネイルに黒の幾何学模様を薬指に1本描いたのだったな。日本でもこれから男性美容市場は大きくなっていくのかなあ~。
そんなこんなでネイルサロンで経験を積み、チップも積んでいったAnriは、稼いだお金で2か月間、ロサンゼルスに移動してBtoBのお仕事体験をすることになる。
To be continued…
この記事へのコメントはありません。