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杏里の楽美(旅)日記

カナダのネイル事情~前編~

楽美の始まりは、海外生活の夢を諦めきれず、大学卒業後にカナダへ行くことを決意したところから。色んな価値観を、拙い英語でたくさん聴いたワーキングホリデーの1年間。そんなカナダでの勤務先は、日本では考えたこともなかった「ネイルサロン」だった。カナダでのネイル生活はどんなものだったのか、ここでは述べることにしよう。

Anri は ネイリスト という 職業 を 手に入れた!

カナダでの仕事探しは、飛び込みスタイルと、掲示板から探すスタイルをとってみたが、私が見つけたネイルサロンは、現地の日本人向け掲示板サイトで見つけることができた。

そのまま面接に行ったら即ネイリストとしてお仕事開始。初心者でもOKというのは、なんともカナダの美容サロンはユルいこと。とはいえマニキュアのマの字もやったことない私は、日本円で3万円ほどのトレーニング代を払ってネイルの塗り方の研修からスタートした。日本のネイル学校に行くと数十万かかると考えたら、接客英語も学びながらネイルの技術も会得できるなんて一石二鳥ね。

日本のネイルサロンは、かなりクオリティの高いデザイン性を追求したところが多く、価格もそれなりに高い。それに比べて、私が行ったカナダのネイルサロンの基本スタンスは、「早い、安い、上手い」の某吉●家のような3拍子が売り。これが逆に、凝り性の私にとっては逆にかなり苦戦したところである。

Anri問題児過ぎてトロントの全店舗に連絡網が渡る

カナダのネイルサロンは、とにかくスピード命。ジェルネイルですらも、持ち時間は45分。フツーのマニキュアに関しては30分で終わらせなければいけない。(←なかなかに難しい)この時間基準で予約をバンバン入れられていくので、終わるのが遅いとお客さんを待たせることになるか、早く終わったスタッフがどんどんお客さんを取っていくことになる。そうすると勤務終了後のチップ配分がおかしいことになり、「Anri、全然やってないやんか早くしなはれ」というお言葉をオーナーかマネージャーからいただき、シュンとしながら少ないチップを握りしめて帰ることになる。サボってるわけじゃないのよ。

凝り性完璧主義の日本人代表を名乗るAnriにとっては、クオリティ<スピードの世界で全く評価されず問題児扱いとなった。勤務してたサロンは、トロント市内で3店舗のチェーン店だったのだが、「Anriはものすごく遅いから予約は気をつけろ」という連絡網が全店舗に行きわたっていた。果てには、ちょっと混んでくるとお客さんに施術中であっても、横でマネージャーから、「Anri、ハヤク」と日本語で合言葉のように言われるようになった。(笑)」

そんな人に限って、あたるお客さんがまあ急いでいる人だったりする。

「LAの彼に会いに3時間後の飛行機に乗らないといけないの!」

「仕事の間の休憩時間で来たから1時間で戻らないといけないの!」

「これから大事な商談が控えてるんだ!」(カナダでは男性もサロンに来るのは普通。小ぎれいな感じのジェントルマンとか、ゲイのカップル、原宿系のカナダ版みたいな美意識高い男の子とか)

神様は、自分を成長させてくれるために出会いや機会を用意してくれるとよく言われたりするが、こんなにも用意周到だとは思ってなかった。

意地悪な要求、人種差別カスタマーも

それでも慣れてくるとお客さんとお話しながら和気藹々とネイルができるようになってくる。1日5~10人ぐらいの様々な年代、職業を持った現地カナディアンと1対1で世間話ができるというのは、日常英会話を習得するのにはとても素晴らしい環境だった。

お客様によって性格も多種多様。人によってはやることなすことにいちいち口出ししてくるおばちゃんもいたり、フツーに目の前で「なんか触られるのキモチ悪い感じ」と言っちゃうような日本人嫌いのおばあちゃまもいた。

忙しい時はみんな自分の担当するお客さんをやっており、誰かが助けてくれる訳でもないので、頑張ってやりきるしかない。神経質おばさんに関しては45分で終わらせなければいけないところを、あーだこーだイチャモンつけられながら1時間半かけて終わらせ、人種差別おばあさんは「そーりー。すぐ終わりますのでー。」と言って極力ベッタリ触らず最短で仕上げる。(この時にはチップとかもうどうでも良くなる)

偏見、イメージ、固定概念というのは、それがある限り、お互いの歩み寄りがストップする。外の価値観を全く知らなかった自分に突き付けられた経験。見えない枠組みというのは色んなところにあって、自分ではそれを取り外すことはもちろん、人生の中で気づくことすら難しい。カナダに行ってそのおばあちゃんに触れたからこそ意識できたことであり、日本に帰ってからもたまに自分で考える。「自分も見えない枠組みに囚われていないか。本質を見ないで、イメージだけで言葉を発していないか。行動していないか。」まだまだ取り外せるところはたくさんあるんだろうな。

ネイルサロンでの奮闘記録は後半に続く。

To be continued…

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